「ジュラファントの背中」

小さな木箱に入ったジュラファントが私の元に届いてからの日々は流れるように早く、気付けば千日以上の時が過ぎていました。
命名に何時間も悩んだこと、素敵な色ですねって言って貰えて嬉しかったこと、引越しでしばらく会えなくて辛かったこと、背中が上下するのを見ているだけで疲れが消えていったこと。
パソコンを通して一緒にパークを散歩したり、お喋りを楽しんだり、公式イベントにわくわくしたり、数え切れないほどの思い出が、まるで小さな宝石でできたネックレスのように、バイオレコードに記された生後日数のぶんだけ連なっています。
その中でも、私のリヴリーが3歳の誕生日を迎えたあの日の思い出は、今でも思い返す度にきらきらと、丁寧にカッティングされた大粒のダイヤモンドのようにひときわ美しい輝きを放っています。

秒単位まで正確な時計を見ながら、3つの針が重なる瞬間を待っていました。
カチリと音がして、日付が変わって。
私は感謝と愛情をこめて、画面の中でしっぽを振っているリヴリーに「誕生日おめでとう」と「今までありがとう」、「今年もよろしくね」の言葉をかけました。
記念写真を撮り、プロフィールを誕生日らしいものに変更して、用意していた誕生日プレゼントのアイテムを使ったレイアウトを考えて。
過去2回と同じように、静かに始まった誕生日のお祝いは、過去2回と同じように、ひっそりと幕を閉じることはありませんでした。
突然、小さな連続音が静寂をさえぎり、同時にたくさんの見覚えのあるリヴリー達が次から次へと現れ、/shockに/fireに/giftの嵐を放ち、島をカラフルに華やかに染め上げました。
「おめでとう!」と口々に言われて、/cupidarrowや/heartが私のリヴリーに降り注いで。
そこで初めて、私は今何が起きているのかを理解しました。
まず驚いて、次に嬉しくて、どうしようもなくなって、何も言葉が出てきませんでした。
頭が真っ白になって、そう長くない返事を打ちこむまでにたっぷり数十秒もかかった私に、返ってきた言葉はどれも大がかりな悪戯が見事成功したときのように楽しそうな、心底嬉しそうで満足そうな、それでいて優しさにあふれたものばかりでした。

誕生日の少し前のある日、私はリヴリーを通して知り合った友人から素敵な話を聞きました。
私のリヴリーがたくさんのリヴリーに囲まれて、3歳の誕生日を盛大に祝ってもらっている夢を見た、というのです。
そのときは、友人の夢に私のリヴリーがそんな素敵な形で登場してくれた、そしてそれを友人が喜んでくれただけで嬉しくて、「そうなったらいいなあ!」なんて笑っただけでした。
まさか、それが正夢になるなんて思いもしませんでした。

それを思い出した途端、ああ、これは夢じゃないんだ!と気付きました。
あまりに唐突で非現実的で嬉しすぎる、この目の前で繰り広げられている光景は、夢じゃないんだ!
そうはっきりと認識すると、急に嬉しさも、喜びも幸せも倍になった気がしました。
大きくふくらんだ感情で胸が苦しいほどいっぱいになっていって、こぼれた涙に自分でも驚いて、慌てて指先で涙をぬぐいました。
片方をぬぐえばもう片方から涙が流れて、内心では大慌てで止めようとしているのに、困ってしまうくらいぽろぽろと落ちてきてなかなか止まってくれませんでした。 友人達が私のリヴリーの誕生日を私と同じように心から祝ってくれる、私のリヴリーを大切に思っていてくれている、それが嬉しくてたまりませんでした。
私の目が赤くなり、涙が止まるまでの間、技や言葉が止むことはありませんでした。
私のジュラファントも雨のように降る/cupidarrowでピンクに染まり、まるで照れて赤くなり、一緒に嬉し泣きしているように見えました。

皆で相談し、誕生日は2人きりで迎えさせてあげたいと気を使って、わざと0時ちょうどから3分遅らせて島にお祝いに来てくれたのだと後で知りました。
夜が明けても、その日は丸一日、何人もの方がお祝いに島を訪れてくれました。
誕生日が終わるその瞬間さえも、数名の友人が一緒にいて、最後のお祝いをしてくれました。
それがどれだけ嬉しかったか、私の心がどれだけ感動と幸福で満たされたか、私には表現することができません。

あの日の幸せな出来事は、私にとって私のリヴリーが、ただ愛しいだけ、ただ毎日癒してくれるだけの存在ではなく、ましてや誰かと交流するための道具ではなく、単なるプログラムという存在をはるかに超え、様々な幸せをもたらしてくれる存在なのだと改めて私に認識させてくれました。
触れることはできないけれど、たくさんの温かい人の心を小さくも大きなジュラファントの背中に乗せて、運んでくれる私のリヴリー。
ずっとずっと、大切にしていきたいと思っています。
この温かな人々が集まる世界、リヴリーアイランドがなくなるそのときまで。
 
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