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| 「小さな命」 |
約4、5年前の話です。私はまだ小学生でした。
小学校から家に帰ってきて、しばらくすると、家のインターホンがなりました。
外へ出てみると近所の友達の男の子が雨が降っているのに傘もささずに立っていて、 「どうしたん?」と聞くと、
「このすずめ、近くで拾ってん。死にそうなんやけどどうすればいいやろ?」
と言って手の中でびしょ濡れになって震えているすずめを私の前に差し出しました。
すずめにしては何故か真っ黒で、不思議に思いましたが、考えてる暇はなく、お母さんに
「このすずめ死にそうなんやけどどうすればいい?」と聞きました。
「これ・・本当にすずめか?つばめやと思うで?」
と言うので、つばめを初めて間近で見た私は驚きました。
「ぇえ?まぁそんな事はおいてといてどうしよう・・・」
お母さんは「近くのペットショップに言って聞いてみ?」
と案を出したので私とその男の子(A君とします。)は早速行ってみました。
店員さんに「このつばめ、死にそうなんですがどうすればいいですか?」
と聞くと、「わからない。」と言われどうしようか迷っていました。
A君が「とりあえず、このつばめお腹空いてるんちゃう?とりあえず帰ろう?」
と言ったので食パンと牛乳を買って私の家に帰りました。
パンを牛乳にひたして、つばめの口元まで持っていきましたが、一向に食べようとしないので 無理に食べささずに畭に入れました。
隅で震えているのに気付きハムスターの家の中にいれる綿が余っていたので入れてやりました。
A君は、このつばめを私に預けると言って家に帰っていきました。
次の日の朝、死んでないだろうか、とひやひやしながら畭を覘くとちゃんと生きていました。
お腹が空いているだろうと思いパンを牛乳でひたして口元に持っていくと、少しだけ食べてくれたので、 安心しながら学校に登校しました。
授業が終わりもう一度ペットショップに行って、
「ツバメは何を食べますか?」 と店員さんに聞くと「多分これなら食べると思うよ。」 と言ってミミズを小さくして短くしたような虫の入ったパックを持って来たので それを買って家に帰りました。
早速畭を覘くと、ツバメは私の顔をジーっと見つめていました。
暫くするとツバメがピーピー鳴き始めたのでお腹が空いてるのかな?と思い先程買ってきた 虫のパックをあけて「うーわ・・・気持ち悪・・・」と言いながらピンセットで掴んで口元まで持っていくと 勢いよく食べてくれました。
立て続けに餌を与えていましたが暫くすると口元にもっていっても食べなくなり、餌を与えるのをやめました。
私はツバメにぴーちゃんと名づけました。
一週間も立つとぴーちゃんは元気に回復し、家の中を飛び回るようになりました。
「ぴーちゃんおいで!」と手を出すと、飛び回っていても手に止まってくれるようにもなりました。
”ずっとこのままぴーちゃんを飼いたい”と時々思うようになりり、お母さんに相談してみると
「ツバメは渡り鳥なんやから、外に放してあげな可哀想やろ。」
と言われその時は落ち込んでいましたが、ぴーちゃんの為を考えるとそっちのほうがいいんだろうな、 と思いそうする事にしました。
「ぴーちゃん外に放すのはいいけど、餌ちゃんととれるんかな?」とお母さんに聞くと
「うーん・・どうなんやろう。一回お母さんの友達に聞いてみるわ。」と言ってくれました。
次の日仕事から帰ってきたお母さんが、「動物園に、巣から落ちたツバメとか怪我したスズメを保護して、 ちゃんと餌も自力で取れるようにして、自然に放してくれる所があるねんて。」と言ったので 今週の日曜日に動物園に行こうね、と約束をしました。
そして日曜日。
お母さんの車の中に乗り込みました。
動物園の駐車場に入った所で、”これでもうぴーちゃんとお別れなんや。”と思うと 自然と涙が出てきて泣いてしまいました。
ぴーちゃんを畭から出して、泣きながら何度も撫でているとぴーちゃんが急に顔の所まで飛んできて、 涙をくちばしで拭ってくれました。
そして大きな声で鳴きながら車の中を飛び回りました。
まるで元気付けられてるようで一瞬にして涙はとまり、自然と笑みがこぼれていました。
お母さんも、「ぴーちゃんが泣くな!って言ってるんやわ。」と言って笑っていました。
そして飼育員の人にツバメやスズメがいる所まで案内をしてもらいました。 中には本当にスズメやツバメがたくさん居て、その多さに驚きました。
飼育員さんにぴーちゃんを預けて、帰る所でやっぱりまた泣いてしまいました。
何週間かすると、動物園から、”無事に飛び立ちました。”と、ぴーちゃんの写真付で
ハガキが届きました。
私は、ぴーちゃんの命を助けられて本当に良かった。無駄な命はないんだなぁ。
と小学生ながらも改めて思いました。
みなさんもほんの小さな命でも消えかかっていたら助けてあげてくださいね。
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