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私が初めてリヴリーの存在を知ったのは数年前。
その時クラスの友達が話しているのを耳にしたのがきっかけです。
当時はそんなにパソコンを使っている人が少なく、ましてインターネットにつないでいる家庭は珍しかったです。
私のうちではその時ちょうど父がパソコンを買ってインターネットにつないだばかりでした。
なれないキーボードを使って、友達から聞いたURLを入力してみると、『リヴリーアイランド』というページに
たどり着きました。トップページにはオレンジ色をしたリヴリーらしき物体が出迎えてくれました。
はじめてみたときの印象は『何だこれ?変なモンスター…?』なんて思いました。
それでもせっかく友達が教えてくれたし、パソコンに慣れるためにと思い、飼うことにしました。
私が飼ったのは『ワタメ』という種類でした。見た目はネコで、ふわふわしていそうな毛が印象的です。
私はその子にその時好きだった男の子の名前と似た名前をつけました。そしてその子を大切に育てることにしました。
教えてくれた友達とチャットをしたりして、だんだんとキーボードで打つのも早くなっていきました。
そして私が育てていたワタメも色が変わっていきました。
はじめはあまり可愛いとは思えなかったのですが、だんだんと愛着がわいてきました。
そんなある時友達から、私の好きだった人がリヴリーについての話をしていたということを聞いたと教えてくれました。
詳しく聞いてみるとその子もリヴリーを飼っていると言っていたというのです。
名前まではさすがに言っていなかったそうなのですが、いつかどこかで会えるかも…
でも私のリヴの名前はあの子の名前と似ていて、会いたい反面会いたくないなぁとも思っていました。
それからまた何日かしたときに島の掲示板に初めての書き込みが来ていました。
『はじめまして。放浪でここまできました。』という短い文章でした。
これは何かの縁だと思い、その子と掲示板の中で話をするようになりました。
『いつか、時間があったらチャットしようね!』いつも話の中にはこの言葉が書かれていました。
私はとても嬉しくて、はやくチャットしたいなぁ…何を話そうかな…などと考えていました。
掲示板の中ではいつも話ができるのに、なぜかなかなか時間が合いません。
あの子も忙しいんだな…そういう程度にしか考えていませんでした。
それから数ヶ月して、やっとその子と時間が合ったので待ち合わせをすることができました。
日程は明日の午前9時。ドキドキして勉強もあまり頭に入っていません。
放課後になり、先生の話が始まりました。いつもと同じ話。
でも1つ違っていたのは私の好きな人が転校してしまう、明日には引越しをする、ということでした。
私の通っている学校は親が公務員のことが多く、頻繁に転校があったのであまり珍しいことではありませんでした。
しかし、急に言われても信じられませんでした。嘘だと言ってほしいと願うばかりでした。
夜があけ、今日は土曜日、学校はお休みです。今日はあの子が転校する…。ちょっとブルーな気分でした。
9時になり、リヴリーをログインすると、私の島には掲示板で話していたあの子がいました。
キレイな水色のリヴリー。私は何を話していいかわからず、緊張していました。
先に話しかけてくれたのは向こうからです。とても優しくていい子でした。
私はその子に最近のことを話しました。このリヴリーの名前は好きな人の名前ということ、
その人もリヴリーをやっているということ、そして、その人が転校してしまうことを。
そしたら、その子は驚いたように、自分も今日引越しをする。と話してくれました。
私は怖くてそれ以上はその話をしませんでした。
最後にその子は今日でリヴリーをやめると言っていました。理由は入院するからだそうです。
掲示板には『ありがとう。』と一言書いていました。それが最後の言葉でした。
私はそれっきりその子とは話をしていません。島も消してしまっていました。
何年かして、私はリヴリーを教えてもらった友達と会う機会がありました。
その時、当時好きだった人の話も出てきました。転校した理由は、転勤じゃなくて、病気療養の為で、
今は元気に過ごしているということでした。今思えば、ネットの中で知り合ったあの水色のリヴリーは
私が好きだった人のリヴリーだったのだと思います。年齢も、誕生日も一致していたからです。
私は他に好きな人もでき、幸せに過ごしています。
あの頃飼っていたリヴリーはパソコンに入ったウイルスのせいで亡くなってしまいましたが、
今でもリヴリーは飼い続けています。
放浪していると、たまにあのときの水色のリヴリーに似た子を見かけるときがあります。
その水色のリヴリーを見るたびにその人のことを思い出します。
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